いよいよ手術

手術室にはいるまえに、帽子をかぶった。点滴前に、手術着にはなっていたから、これで完全に手術に臨む格好となった。

手術台にあがり、内診台みたいに足をのせるところがあって、そこに足をのせた。天井に大きな無影灯がみえた。
血圧計と酸素を図る機械をつけて、腕が固定された。お腹をもっと撫でていたかったけど仕方ない。
頭のなかでは、いよいよだ、赤ちゃんありがとう、赤ちゃんありがとう、またきてね、ありがとう、と繰り返し赤ちゃんに話しかけていた。痛み止を入れます、といわれた。頭がボーッとして来た。

先生がきた。はじまるんだな、とおもった。おしりのしたに何か敷くといわれてお尻をあげたり、ある程度のことはまだできた。
先生が、それじゃ、といった。
看護師が、「プロポフォール4cc入ります」というのが聞こえた。麻酔がはじまるな、と思った。血管にすこし痛みがあって、薬が入ってきたのがわかった。
目は開かない、まわりのこえがあまりわからなくなった。なんとか起きておこうと、なぜか頑張っていた。でも、眼球がぐぐっと体にしずみこんでくるような感覚があって、あ、だめだ、と思った。そこで、意識は途絶えた。