手術当日の朝

朝一番の手術の予定だったけど、急なお産が入ったみたいで11時くらいまで待ちぼうけだった。気持ちはもう固まっていたけど、つわりがやっぱり辛かった。

母と夫が、7時半からきてくれた。夫は、その日また昼から翌朝まで仕事だったから、ベッドで休んでもらったが、あまり眠れないようだった。時おり、お腹を撫でたり、私の手を握ったりしてくれた。

義母と義姉も来院してくれたが、やはりテレビのこととか夫のはなしをした。気を遣うなあと正直思ったが、優しさで来てくれているのはわかったのでそれはとてもありがたかった。
予定が遅くなったので義姉が帰り、義母も帰ることになった。
夫も、もともとは私が手術に入ったら寝てから仕事に行く予定だったが、手術が遅れたので仕事に差し支えないよう帰ってもらうことにした。
正直不安だったしついていてほしかったけど、朝から来てくれただけでもありがたかったし、夫の体調も気になったので仕方ない。
最後に、夫が、義母もいるのに私の体を抱き締めてお腹を撫でて「またなーがんばれよ」と赤ちゃんに話しかけてくれた。泣きそうだった。義母がテレビについてまた話していたけど、無視してしまった。でも、その時ばかりは邪魔されたくなかった。悪気はないんだろうけど…。

夫が出ていき、母と二人になった。母は、夫と二人きりにしてやれなくてごめんね、と言っていた。気にしないで、ありがとう、と伝えた。しばらくして、看護師がきて術前点滴がはじまった。アタラックスPがはいっていた。すこしぼーっとなりながら、車イスに乗った。母に、40分くらいで戻れると思います、と説明している声がした。あっという間だなあ、とおもった。