夫の反応

お店についたが、夫は忙しそうだった。
バイトの子が気づいて中へいれてくれた。カウンターにすわり、料理をする夫を見ていた。なんと切り出せばいいのかわからなかった。

いつも通り、どうしたー?と笑顔で話しかけてくる夫に、言葉が出ず。いつもと違う様子に気づいた夫は、どうした?ともう一度聞いてきた。
我慢できなくて、赤ちゃんが…とまで言ったけど、言葉が続かなかった。でも、それで察したようだった。

お客さんがたくさんはいってきた。

夫は「とりあえず、そこにおっても困る。」と言った。信じられない気持ちになった。夫も動揺した顔をしていた。じゃあ帰る、といって席をたった。頭のなかはぐちゃぐちゃで、なんとか家についたけど布団に倒れこんだ。空腹でつわりもきつかった。
赤ちゃんはもう死んでいるのに、おなかがすくのが恨めしかった。もうぜんぶがいやになって、布団をかぶって大声で叫んだ。

いやだ!!!いやだ!!!!なんで、なんで、なんで!!!!!いやだ!!!!!!!!

頭がおかしくなりそうだった。吐き気がしたけどどうでもよかった。そのまま泣きつかれて寝ていた。


2時間ほどしてから、夫の電話で目が覚めた。私は、嫌な気持ちで電話に出た。夫を憎いとさえ思った。
「ごめんな」開口一番、夫はいった。
私は、泣きながら話した。赤ちゃんは大きくなっていたこと、でも心拍が確認できなかったこと、母に電話したこと、みんなに申し訳ないこと、夫に迷惑だと思ったけど職場にいってしまったこと。私もごめん、というと、夫は「俺もわけわからなくなって…ごめん。辛いけどな、仕方がなかったんだ。まずは、一杯泣こう。そんで、また、二人で頑張ろう」と言ってくれた。
この人も、辛かったんだな、とおもった。

翌日は朝から仕事なのに全然眠れなかったから、稽留流産についてたくさん調べた。同じ悲しみを味わってる人がたくさんいることを知った。心拍確認後の流産は5%って、嘘じゃないかな?ってぐらい、たくさんの経験談があった。
心拍が見えなくて、もう一度確認したら見えましたという報告を探したけど、見つからなかった。
悲しいけど、もう手術するしかないんだな、と思った。赤ちゃんが弱かったのか、私が不育症なのか、検査をしたいとも思った。たくさん、色々考えた。